不条理な遺族年金知ってますか?
先日、埼玉の中小企業向けに「いくらもらえる?遺族保障と万一の生命保険」と題して遺族年金の概要から
生命保険の必要保障額を算出する内容のオンラインセミナーをしました。
あらためて遺族保障を考えると置かれている立場に応じて給付金は違うのだが、なかなか不条理だなと感じるかたもいるだろう。
まず、こどものいない30歳未満の妻が残された場合は、夫が厚生年金にかけていたとしても遺族厚生年金は5年間しかもらえない。夫が何も生命保険に加入していなければ、5年の遺族年金しかなくその後の人生は自分だけの
収入と資産で生活していくことになる。しかし相続は発生するので債務があった場合など相続放棄をしなければ
常に配偶者は相続人となり債務も引き継ぐことになるのだろう。その他の資産状況にもよるので一概には判断しがたいが、遺族年金については子供がいなければ遺族基礎年金はうけとれないし、遺族厚生年金であっても30歳未満は5年の有期。なので若いご夫婦でも生命保険は必要だと思う。
もっと大変なのは、やはり自営業者、個人事業主、厚生年金未加入者だ。18歳未満の子供のいない残された妻・夫
は遺族基礎年金がうけとれない。勿論遺族厚生年金ももらえないので、こどもが18歳超えている場合、夫がずっと国民年金を払っていたとしても妻は65歳になるまで何も遺族年金はもらえない。なのでやはり万一の保障が月10万円でも必要と考える。
不条理な部分はまだある。もしも夫婦共働きで、夫婦ともにずっと厚生年金をかけていた場合、夫が亡くなって妻が65歳を超えた場合には、自分の老齢厚生年金の受給権利が発生する。そうすると自分の老齢厚生年金を受給することになり遺族厚生年金の老齢厚生年金に相当する額は支給停止になる。 つまり夫婦二人それぞれが
ずっと厚生年金をけていたとしても自分の年金を受給できる年になったら、片方の年金はかけ損になるということなのだ。詳しくは、受け取る計算方法はいくつかあるのだが、はっきり言えるのは二人分はもらえないという事。
遺族保障だけで老後が安心して暮らせるには足りない。
若いご夫婦には
今は、収入保障保険や家計保障といった年齢が上に行くほど保障が減っていく逓減定期保険が保険料も安くて
お勧めである。死亡保障だけではなく就業不能や精神疾患に対応する特約もつけられる。
今回のコロナによって本当に人生何があるかわからない。当たり前が当たり前でなくなる日もあるという事を思い知らされた一年だった。
保険の出番が来ない方がいいのだが、自動車保険の自賠責が遺族保障と考えるならば、それが本当の最低限であって家族をつらい目に合わないように備える任意保険である生命保険は必要なのだ。