少子化の未来①

早いもので11月に入り、今年も残すところ2か月となりました。

さて、10月7日の日本経済新聞の一面記事は「出生数90万人割れへ」というタイトルでした。

今年1~7月の出生数は、前年同期に比べて5.9%減り30年ぶりの減少ペース、2016年に生まれた人数100万人を下回って3年連続で90万人台、そして2019年は90万人を割ってしまう可能性が高いということです。過去の統計をさかのぼると、1947年~1949年は戦後のベビーブーム時代で260万人が生まれています。

今の「団塊の世代」と言われている世代です

2015年までは100万人を維持していたものの2016年からは減少の一途で「合計特殊出生率も2018年は1.42」となっており、政府の「希望出生率1.8」からは程遠いことになっています。

 少子化に歯止めがかからない理由は様々ですが、主に首都圏に出産年齢の女性が集中していて未婚率が高い事などがあげられます。

 少子化による人口減少は様々なことに影響を及ぼします。社会保障制度の中でも年金制度においては、そもそも約150万人が出生するということが前提として作られています。現役時代が払う年金保険料で支えられている年金は支え手が少なくなれば年金支給額、支給開始年齢にも響きます。また高齢者増で医療費を支える健康保険料も現役世代にしわ寄せが行きます。少子化はじわじわと全世代に影響を及ぼしていくことを我々も覚悟しておかなければいけないということです。

 国の対策はというと2019年4月に幼児教育・保育無償化する「子ども・子育て支援法改正案」が可決し、今年10月から幼保無償化が始まりました。

 基本的な枠組みは、3歳~5歳までの幼稚園・保育園・認定こども園・地域型保育所などの保育料が無償化0歳~2歳までの住民税非課税世帯が無償になります。ただその他の世帯については世帯年収に応じて保育料が今まで通りかかってきます。

 保育料無償化というとすべて無償になると勘違いされがちですが、費用の一部を国が補助する制度となっています。

 30代ご夫婦の住宅購入相談を受けていると気になるのが、子供をいつ頃設けるかより住宅購入を優先する傾向が増えていると感じます。

 本来ならば、①頭金があること、②世帯の人数が決まっていることが住宅購入を検討するタイミングとお話していますが、子供の教育資金についてかなり重荷に感じていることがわかります。

 これも少子化に歯止めがかからない理由の一つです。